2011-07-26

安楽寺 納骨堂

宮崎県で昭和の名建築の代表的なものといえば、菊竹清訓氏設計の都城市民会館と日南市にある丹下健三氏設

計の日南文化会館をあげられることが多いでしょう。都城市山之口町の国道269号線沿いに「安楽寺」があります。

その本堂の裏手に、この納骨堂はひっそり建っています。

今は夏なので、木々に囲まれてその全貌はなかなか見ることができませんが、一部分みえるこの写真だけでも

それが、只者ではないことが分かると思います。

近寄ってみると、多面体のコンクリ-トの塊が地面に刺さっているというか、地面から生えたような造形です。

ひっそり、どころかかなり過激な建築であることが分かります。

元祖モダンデザイン、ル・コルビジェの日本人の弟子 吉阪隆生 の大学セミナ-ハウスを思わせる形です。

納骨堂は1966竣工の都城市民会館から4年後の1970年に完成しています。因みに大学

セミナ-ナウスは1965年竣工ですから、設計者の光吉健次氏(当時九州大学教授)も、コル

ビジェや吉阪氏の建築にインスパイア-されたものと思われます。

そして、その施工精度の高さにも驚かされます。当時は荒々しいコンクリ-トの表現が多かっ

たようですが、この建物は非常に丁寧で綺麗な施工がなされています。この納骨堂は二つの

公共建築に並ぶ隠れた名建築だと思います。

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コメント6件

  • ニコる より:

    なんというか見えない何かと魂のバランス。
    ワタシだったらあの世で自慢しているはずです。

    • idea より:

      建築家も凄いですが、この納骨堂を認めて建てさせた、お寺さんと檀家の方たちも偉いと思います。

  • おーぞの より:

    自分も初めてこれを見た時は、
    度肝を抜かされました。
    やっぱりいい建築物というのは、
    何十年経ってもいいものですね!

    • idea より:

      日南文化センタ-もこの納骨堂も、当初はコンクリ-ト打ち放しだったと思われますが、雨掛かりの部分は、防水のためか、白くペイントされています。今はコンクリ-トの肌を生かしながら防水する方法もあるので、残念ですね。

  • idea より:

    何百倍かの大きさだけど、共通するものはありますね。それにしても、この手の多面体の建築のル-ツはどこなのでしょうか?

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