それは突然にやってきました。6月10日、日曜日の午前中、計画中の案件の打合せに向かうため国道を走行中でした。ポルシェセンタ-のショル-ムに新型991の姿を見ながら、通過して次の赤信号で停止しようとした瞬間、エンジンル-ムから、ガチャガチャという異音と共にエンジンが停止。信号が変わり青、とりあえず再始動はしたので、脇の食堂の駐車場に停車させました。その時はボクスタ-はカムシャフトの駆動はチェ-ンだし、他のベルト類か、補器類のトラブルだろうぐらいにしか考えいませんでした。幸いにしてポルシェセンタ-すぐ近くでしたから、ショ-ル-ムまで走り救援をもとめました。メカニックのNさんはすぐにインタ-ミディエイトシャフト破損ではないかと気付いたようで、過去にも同じようなトラブルがあったことを話していました。とりあえずは車を預けて、打合せにはタクシ-で向かい仕事はなんとか済ませました。
ネツトでインタ-ミディエイトシャフト(IMS)を検索すると、かなりの数の記事が出てきました。水冷化されたポルシェエンジンの997型前期までに起こっている重大なエンジントラブルだということでした。IMSのシャフトの取り付け部のボルトがベアリングの破損が原因のようです。国交省の 自動車不具合情報ホットライン をみるとポルシェ全部で105件の報告のうち15件あります。報告されているだけでこれですから、実際にはもっと多いと思われます。購入前には自分なりにかなり調べてウィ-クポイントの少ない実用性の高いポルシェであるということを聞いていたので、稀ながらもこんな致命的なトラブルの可能性があることは、まったく知りませんでした。
後日私のボクスタ-の診断結果がでましたが、やはりIMSのベアリング部破損により、タイミングチェ-ンが暴れてシリンダ-内部にも傷が付いている致命的な状態で、対処としてはエンジンを載せ替えるしかないとのことでした。費用は概算270万円前後だろうとのことも告げられました。まだロ-ンが残っているうえに、中古で購入したときよりも高い修理費です。1年弱ですが私の短いポルシェライフもこれで終わり、ロ-ンだけ残り廃車か部品取り車にするしかないと覚悟を決めて、とりあえずの足車を探し始めていたくらいです。
ただ、調べていくうちにIMSトラブルは防ぎようがないことが分かってきました。メ-カ-が点検や定期的な取り換えを推奨しているわけでもなく、リコ-ルの対象にもなっていません。トラブルに会った場合のメ-カ-の対応もまちまちのようで、メ-カ-補償期間外のものであっても、全額メ-カ-負担で修理をしたケ-ス、工賃のみオ-ナ-負担したケ-ス等が報告されていました。私の場合年式2004年式(ポルシェジャパンもの)で私で3オ-ナ-、購入したのもディ-ラ-系のショップではありませんし、クレ-ムを受け付けてはもらえないだろうと言うあきらめの気持ちは大きかったのですが、とりあえず 状況の報告とこの場合どのような対応をされているのかという内容の手紙をポルシェジャパンに出してみることにしました。
それから1週間後、ポルシェセンタ-から連絡がありました。そろそろ車をどうするか考えてくれとかいう話かなと思っていたのですが、ポルシェジャパンが、今回のトラブルの対応をポルシェ本社と検討しているとの連絡でした。私の手紙に対して予想以上に早い対応があり少し光が見えてきた思いでした。結論としては、ポルシェジャパンとしては、リビルトエンジンを準備してドイツより発送するので、工賃のみを負担してもらいたいとのことでした。その時まではボクスタ-の修理は半分あきらめていたところでしたから、条件をのみ修理を依頼することにしました。日程的にはエンジンが届くまで1カ月それから修理にかかるので1.5カ月前後かかるだろうと言うことでした。それからはひたすら待つのみの時間が過ぎていったのでした。
そして、予定より早い1ヶ月後の7月17日に修理の完了した、ボクスタ-を受け取ることが出来ました。今回の故障はまったく予期できなく、点検も出来ない部品のトラブルではありましたが、誠意を持って敏速な対応をしていただいたポルシェジャパンと間に立ってご尽力頂いたポルシェセンタ-の皆様に心より感謝致します。ありがとうございました。
復活おめでとうございます!!
…ということは 復活祭の宴が必要ですね?(笑)