2025-08-18

宮崎トヨタグループ串間店

2025.08.18 コメントを掲載しました。

2024.04.18 竣工写真を掲載しました


所在地  :宮崎県串間市
主要用途 :自動車修理工場併設自動車販売店
工事種別 :新築
構造規模 :鉄骨造・2階建
敷地面積 :3,288.80㎡(994.86 坪)
延床面積 :1,179.83㎡(356.89 坪)
設計監理 :b&i 設計共同体
施工   :大淀開発株式会社
竣工   :2024年 3月
撮影   :沼口紀男 / studio marsh


自動車業界は100年に一度の変革期と言われている。EV化、自動運転、シェアリング、コネクテッド、など、「CASE」と呼ばれる技術的変革だ。同時に販売方法も以前の訪問販売から来店型へ、更にインターネットでの販売サブスクリプションと選択肢が広がっている。従来のトヨタ系ディーラーは数車種ごとの販売チャネルを展開していたが、現在は「全販売店全車種併売」という、どの販売店も全ての車種を扱える販売方式へ変化している。これに伴い近接して立地していた二つの販売店を合同店舗として統合したのが今回の計画である。
串間市は宮崎県の最南部に位置し、鹿児島県志布志市と隣接している。気候は温暖で第一次産業が盛んだが、多くの地方都市と同じく人口減少や高齢化が進んでおり、公共交通機関は少なく自動車が必要不可欠な移動の手段だ。計画地は街の中央を走る国道220号線に面したロードサイドショップの立ち並ぶ典型的な郊外の風景の中にある。道路に面した広い間口一杯を利用してショールームと屋外展示場を、それに直行する東側に整備工場を配置するL型の平面計画とした。

「ウェッジシェイプ」という自動車のデザイン手法がある、クサビ型と呼ばれるもので空気力学的に有利であり、躍動感のあるスタイリングになりスポーツカーに多く用いられている。
ファサードはそれを意識して一枚の版を折り曲げたように屋根から壁、そして床へとシームレスに連続する、伸びやかでスピード感のあるフォルムとしている。メタリックなイメージの外部からショールームへ入ると2層の吹抜け空間の中に展示スペースや商談室が配置される。2階から吹き抜けを介して展示車を見下ろせるのも新鮮な体験だろう。また2階は地域へ解放されたスペースでもある。住民の様々なアクティビティに利用されることを想定している。インテリアにおいては、鉄、ガラス、木などの素材をバランス良く配置することで訪れたゲストが清潔で洗練された空間で心地よく過ごすことができるように配慮した。整備工場の環境の改善も大事なテーマであった、十分な作業スペースの確保、最新の整備機器の採用は勿論の事、高速で開閉するシートシャッターと共に空調設備を導入して快適な作業環境を実現できた。自動車ディーラーは1960年代のマイカーブームに始まり自動車の進化、販売スタイルの変化に伴い、現在では自動車を含むモビリティを扱うディーラーとしてだけでなく災害時の支援を含め、人々の集う地域の拠点の一つとして役割を果たせればと思う。

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